昔から、頑張っても嫌われてる「アパレル販売員」
ショップ店員が世間から嫌われてるのは今や、わかりきった話です。
世間のショップ店員に対するイメージというと
・ウザイ(不必要にまとわりつく、やることがいちいち過剰、など)
・しつこい(不快な行動をやめてくれない)
・嘘つき(似合わないものを似合うと言う)
この三つが代表格でしょうか。
1割2割はショップ店員を歓迎してくれるお客さんもいますが、
まだまだ上記のようなイメージをもつ方が大半です。
それには、ショップ店員のみなさんが昔からされている『接客』に関する古い教育が原因です。
思えば、企業は『接客』に関する教育を昔から変えていません。
接客そのもののやり方を変えている先輩もあまりいません。
古い教育をされて、古い接客を見せられてばかりいたら、
今世間で嫌われてるイメージ通りのショップ店員になるだけです。
とんだとばっちりです。
仕事に対して従順な人ほど、そうなってる傾向が強い。
言われるままに頑張って言うこと聞いて、
お客さんにもクレーム言われないように最大限配慮して、
神経すり減らしてるのに売上は取れず、
自分が無能に思えて、
そんなんじゃ転職できる実力もないとか思ってしまって、
ますます何でもやって会社にすがり付きたくなる負のルーティンです。
『踏み外したくない、変化を嫌う』日本人ならではの気質が凶と出て、
どんな店に行っても同じような接客、
それがこんなにまで世間に支持されてないとわかっていてもそのまんま。
ずっと残念に思っています。
一方で、
ショップ店員の嫌われっぷりが解ってるからこそ怖くて接客に行けない、お客さんと話したくない、手も足も出ないというショップ店員も増えています。
そういう人は、
『自分が接客されたくないから自分も接客をしない(=仕事しない、と言ってるようなもの)』という方が多いのですが、
そういった販売員もまた、
接客の何たるかを理解できてない人が大半な印象です。
私は『下手な接客』はされたくないけど、
素晴らしい接客をされたときの気分はとても良いですし、
楽しい気分になると財布の紐が緩みます(笑)
本来、販売員はそうしてお客さんに買ってもらうという仕事に対して対価を得ているので、
それができない人は低賃金であっても何にも言えないですよ。
たいして販売力がある人間がいない業界なんだから妥当じゃない?って思います。
能力がある人なら転職で給料上げることができるし、
それがあるべき姿、と私は思ってます。
『親しみのある接客』はノンストレスで良いことばかり
お客さんにとって接客がストレス、
または店員にとっても接客がストレス、
こんなの誰のためになってるのか、わかりませんよね。
両者が避け合ってるうちは売上が立たず、店が売れずに潰れるだけです。
もうその構図が完全に出来上がってる現代では店舗の撤退が急速化しています。
それにともない、
店の存続のためには速く結果を出すことも求められます。
こんな状況でも売れる人(=他社でも活躍できる販売力がある人)になっておけば、
店で重宝される人材になるのはもちろん、
仮に店が売れなくて潰れようが自分が転職するぶんにはほとんど困りません。
それを踏まえて、
どこでも誰にでも売れる私が最近つくづく感じてることですが、
そのためには、世間が嫌う『いかにもショップ店員』という行為をしない、
それだけでも随分こちらのストレスも減り、
お客さんにも受け入れてもらいやすくなります。
私は昔からの『ショップ店員』の行動に疑問を抱いていて、
教えられても納得しないことは一切やりませんでした。
『ショップ店員っぽくない』と思ってもらってお客さんから警戒されないということは良い点がたくさんあります。
やっぱり門前払いされずに会話に持ち込めたら接客成功率もグンと上がりますし、
気軽にお話してもらえると、
その会話の中に接客のヒントがたくさん隠れてるので、
「さっきこう仰ってましたけど、、、」と言いながら別の商品の提案もできたりするのでセット率も上がりますし、
会話をしっかりすれば、
親切にたくさん話を聞いた上で的確にアドバイスをくれた、と思われます。
だから店員っぽくマニュアルっぽく接客してる人より圧倒的に感謝され、
お礼を言葉にしてもらえることが多いです。
毎日そんな経験をしてると、
私たちの仕事はまだまだ必要で感謝される仕事であると思います。
『ショップ店員が必要無い』という人は、
単純にそこまでの経験が無い、または良い接客をされたことが無いお客さんだと思います。
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接客に必要無い、ストレスになる今すぐやめたい行動
ファッションに対する知識やセンスも、
お客さんと会話が始まらなければ単なる持ち腐れです。
それを発揮するためにはまず、
『ショップ店員ぽく思われない』ことでお客さんに心を開いてもらい、フラットな状態で会話を始めることが重要です。
では、フラットな状態で会話をはじめ、お客さんと対等に会話をし、
アドバイザーとして役目を果たすために、
私が実践してることをお伝えします。
①やたら早く声を掛けない
企業は、入店したお客さんを逃したくない!と思うあまり、
『お客様が入店したら早く声を掛けに行きましょう』と教育します。
私がかつて勤めた店でも、『入店したら3秒以内に声を掛けなさい』と言われていました。
しかし、挨拶は必ずしたほうが良いですが、
まだ入ったばかりの店でいきなり話しかけられたらどうでしょう?
また、店員側も、まだ何に関心があるかわからないお客さんに対して話し掛ける内容ありますか?
別に無いですよね。
無いからこそ『良かったら鏡で合わせてください』とかの、内容も無い無難な声掛けしますよね。
これを私は『自爆行為』と呼んでます(笑)
私はその自爆行為はやらずに売上を取り、
こんな両者のためにならない自爆行為をしないほうが自然に会話が生まれて売上が取れるということを証明したので、
私だけは『3秒ルール』をしなくて良いと免除されていました。
声掛けが早いか遅いかなんて関係無い。
適切なタイミングとはお客さんの行動によってバラバラです。
それがただ早いこともあれば遅いときもある。
『今困ってそうだな』とか、『これは伝えたほうが良いな』と思ったときに話しかけるようにしています。
②『良かったら』という声掛けはしない
これは本当に損!
完全に嫌なイメージを彷彿とさせる言葉です。
世間に嫌われてる『いかにもショップ店員』が言う第一声としてほとんどのお客さんに認知されてるからです。
友達同士とかで来店してふざけて店員の真似事をするときすら『良かったら〜』というワードが使われています。
そのくらい、よく知れ渡った嫌われショップ店員の名台詞です。
個人的にはその言葉自体そんなに要ると思えませんが、
『必要であればサイズ他にもあるんで言ってくださいね』などと言い換えるようにしています。
よく聞く常套句を口にしない。
それだけです。
③黙って様子を見ない
また、声掛けをしたあとに、
次にいつセカンドアプローチに行こうか・・・と様子を伺うせいで無言で表情が固まる店員。
これも多いです。
お客さんとしてはその沈黙と張り詰めた空気。
自分も隙を見せないようにしなければと思うと商品もろくに触れません。
商品に触らない=何に関心があるのかわからないから、こちらから再度アプローチもできません。
本格的な接客に入るまではただの通行人!ぐらいに思って、
すぐに他の仕事したり、
スタッフと簡単な会話をするなどして、
お客さんが「見られてる」と思わないようにします。
とはいえ、他のことしていても、
お客さんがどこで何を触ってるか、
今何かきっかけがありそうかだけは常に頭の片隅で気にかけます。
それを態度に出さないことも『お客さんの居やすい空間を作る』という点で、
実は大事なサービスです。
しかし一方で、ちゃんと見てないとタイミングを逃してしまうので注意です!
それができない人が多いからこそ、
『接客するときは他の仕事を何もしてはいけない』、
『お客様が居たら店員同士の私語は絶対NG』という教育が今も当たり前のように受け継がれています。
店員同士の私語でのクレームというのもありますが、
お客さんが話し掛けれないほど長く話し込むのは良くないです。
ただ、お客さんが話し掛ける隙が充分あるという程度の会話にまで文句を言う人は総じて神経質。
何しても気になる人でしょうから、
本人だけでなく店員にとっての負担も大きい。
そういう人はネットで買えば良いと思います。
べつにネットで買われても会社の利益になるなら一緒だし、
『他の店で買ってやったわ!』と威張られても、
こちらからするとそんな面倒な人が繰り返し来ないことがどんなに素晴らしいことか。
そんなクレーマー1人対応する時間で普通のお客さん3人は接客できますからね。
拍手で送り出してやりましょう!
④お客さんの私物に触らない
話が反れました、、、
続いて『お客さんの私物に触らない』。
前から思ってました。
コロナ禍以降、お客さんの荷物を触らないことを正当化しやすくなりました、
何なら、触られたく無いお客さんもいますし。
だいたい自分の手荷物なんて良い大人なら自己責任、
そのくらいの管理能力くらい持ってきてほしいものです。
そんな世話まで丸投げされるなんて、面倒なんですよね。
置かれると店内の邪魔になるものや置引きされそうなものは気づいたらお客さんに忠告こそしますが、
自分がお客さんの私物を運んだりしません。
「誰のものかわからないから私は触りませんが・・・」というニュアンス。
そうすると私の号令でお客さんが自分ですっ飛んで取に行きます(笑)
当たり前なんですよね、『自分の荷物』ですし。
フィッティングのとき靴を揃えたりもしません。
あくまでも商品の説明やアドバイスや会話の質を重要とする仕事なのに、
そんな小間使いみたいなことは『やらなければならない仕事』ではありません。
お客さんの私物を気にするあまり会話の質が下がるほうが嫌。
100%に近いくらい会話に集中したいから、
私物くらい自分で見といてねっていうことです。
実際、『荷物を移動してくれなかった』とか『靴を揃えてくれなかった』なんてクレームになることあります?
言ってくる人間がいたとしたら、
『自分のこと自分でできません』と言ってるような恥ずかしい人です。
どっかの皇帝なんでしょうか?
そうじゃないなら、『気づかなくてスミマセン』とだけ言っておき、
二度と来ないことを祈りましょう。
「気が利く」よりは「接客アドバイスが的確」と言われたほうが、
私自身は販売員としてそっちの方が嬉しいです。
⑤良いことばかり言わない
可愛くないものを可愛いと言い、似合わないものを似合うと言う
お客さんもバカじゃないんだから気づきます。
そうじゃなくても、耳障りの良いことばかり言うと疑う人も多い。
心配性な日本人なら尚更ですね。
だから、私は商品のデメリットも伝えたり、お客さんに似合わないものもきちんと伝えます。
ただ、それをそのままにせず、必ずプラスに持っていくことが重要です。
「ポリエステルなので通気性は少し劣りますが、色落ちやシワになりにくいのでずっと新品に近い見た目で使えます」
「このようなタイプは似合いませんが、こういったものなら普通の人より似合います」
とか。
マイナス点や否定を言うことは販売員からすると勇気が要るので、
それをする人はあまり居ません。
しかし、だからこそ、言えばお客さんをハッとさせられる。
この人は他とは何か違う、と思ってもらえます。
『売りたいだけのテキトー店員』じゃなくて、
『1人の人として相談に乗ってくれてる』『プロとしてアドバイスをくれてる』という印象になります。
⑥お見送りをしない
ほとんどのお客さんは『買ったあとのお見送り苦手!』という人多いです。
しかしこれもまたマニュアル化してるというか、
こうすることで忠実そうに見えるからいいか、という安易な取り組みだと思います。
しかもあまり接客で仲良くなったわけでもない人がやってるケースがほとんど(笑)
こちらからしたら会話が弾むわけでもなく、
気まずい時間が更に長く続くだけですし、気も使います。
私はお客さんにそんな気を遣わせたくないし、
単純に面倒だし、
個人的には、良い接客してもレジが終わればおしまい、と思っています。
雑誌で例えたら、
しょうもないオマケをつけるより雑誌そのものの面白さで勝負する感じでしょうか。
とはいえ、レジで話があまりにも弾んでたり、
普段から『店員に外まで送ってもらうのが当然』のようで商品を持たずに話ながら出口に行くようなお客さんには恥かかせてもアレなんで(笑)
その場合は送りますけどね。
余程好きなお客さんで名残惜しいときはお話しながら送ることもありますが、
それも自分の感情がそうしたいときだけやります。
古い接客教育はリセットして、自分でやりたい接客スタイルを考えよう
このように、
心で感じたことや、自分自身で考えた上での行動なら嘘臭くなりません。
それは『自分がそのやり方に納得してるから』です。
多分、ほとんどの販売員は「お客さんに嫌がられるだろうけど会社の指示だから」という、
『自分でも納得できていない状態』で接客をしてしまっています。
だからストレスを感じるのです。
今一度、考えてみてほしいです。
どんな接客なら、お客さんと一緒に楽しめますか?
自分がお客さんの立場だったら、どうされたいですか?
私は『ショップ店員』である前に、
『良き相談相手』であり『プロのアドバイザー』であり、
『ファッションというエンターテイメントを提供するキャスト』でありたいです。
今自分が販売員としてしてることに疑問を持って改めて考えてみても良いかもしれませんね。
お客様全員が『汚客』に見える人の原因と改善法 X(旧Twitter)を見てると、 客はどいつもこいつも汚客だああああ!!! と、ヒスってる同業者をたくさん見かけます。 そのたびに私は思ってました。 […]