どうせ暇なんだから今こそチーム接客したらどうだろう。
忘れていました!!
今閑散期なので、いつも一人でクオリティの高い接客、楽しい接客をしたいことで頭がいっぱいなんですが、
こないだハッとしたことがありました。
『チーム接客』って、最近してなかったな・・・と。
チーム接客とは、2人3人で寄ってたかって勧めるってことではありません。
例えば誰かが接客していたときに、
その接客担当者以外のスタッフもさりげなくお客様を気遣うことです。
ほんの少し、担当スタッフが商品を取りに行ったりして不在のときに、
お客様にちょっとだけ話しかけたり、
お子様連れのお母さまのお買い物中には、
接客してないほうのスタッフがお子様に話しかけてお母さまがお買い物しやすくする、とか。
お店に今いるスタッフで、チームで出来る限りのことをするのです。
お客様もスタッフ一人だけに良い対応をされるより、
すれ違うスタッフ、近くにいたスタッフまで感じが良いほうが満足感は上がります。
これは皆さまも思い当たることありませんか?
チーム接客文化が少ない日本アパレル
以前勤めていたインポートのお店では「チーム接客」の文化がありました。
外資系=冷たいようなイメージがあるけど、私が働いた限り、
外資のほうがお客様を身近に感じているというか、変に特別扱いしていないところがあります。
映画などで店員と客がフランクに喋ってるシーンありますよね、ほんとにあんな感じ。
海外ではお客様と店員は対等なので、気負わず話すのです。
例えば本社から来た人とお客様が、
または居合わせたお客様同士が、違和感無く笑い合ってたり会話をしたりすることも。
何度目にしてもあたたかい気持ちになる素敵な瞬間で、そういった空気が決してめずらしくありません。
日本でも美容院では結構このチーム接客を見ます。
狭い空間にお客様も長く滞在するし、担当者もあちらこちらへ動くので、
アシスタントさんや他のスタイリストも「みんなでお客様をもてなそう」という空気があります。
しかし日本のアパレルとなると・・・正直、少ないですよね。
販売員へのあたりの強さもあると思いますが、
丁寧ではあるけど、つい万が一のことを考えて「出過ぎたことをしてはいけない」という気負いが強いあまり、
最小限の接点しか持たないで消極的な印象です。
外資でなくなってからはチーム接客を目にする機会も減り、
いつのまにか自分もチーム接客を意識しなくなっていましたが、
それを思い出させたのはあるスタッフでした。
お客様を気に掛ける思いやりで一歩踏み込む勇気を!
最近のことです。
とても暇な平日に、私が接客をして男性物のレザーの財布を買われたお客様がいらっしゃいました。
普通のレザーではない特殊なレザーだったのですが、そのお財布と長く付き合っていただくために、
革のケア用品を一緒にお勧めしていたところです。
すると、スーツ売り場のスタッフが、私がお勧めしていたものと別の革クリームを持って来ました。
そのスタッフは日頃から革靴を毎日磨いており、
革の知識は私よりあります。
そしてその場でお客様に、
「もし今少しお時間頂けましたら、今お財布のはじめのケアをしておきましょうか?」
と聞いたのです。
恥ずかしながら、私はその革が特殊な革なので使用前にケアが要るということを知りませんでした。
お客様も予想外の人の予想外の申し出にちょっとビックリされつつ、「お願いします。」と快諾されました。
そしてそのスタッフが、「日頃のお手入れをされるなら・・・」と、
お客様に財布の手入れを実演して見せていたのです。
その姿を見て心を打たれました。
そして私が、お会計をしたときにいくらかポイントが付いたため、
と提案し、お客様にはとてもご満足いただいたようでした。
さりげないチーム接客はお客様の満足度が上がる
今回のことは一人では限りあるサービスを、2人になることで更に大きく出来ました。
また、良いサービスをする人がいるとそれは他のスタッフにも連鎖するのだと思いました。
そのスーツのスタッフは普段寡黙でバリバリ売ってるほうではありません。
売れたお財布だって、自分の管轄外ですし。
しかし自分の売り上げになるわけでもないのに、見返りも求めず、
ただお客様にプロとして自分が上乗せ出来るものをお客様のために惜しみなく提供してくれたのです。
良いサポート役がいるからそのお買い物が素晴らしくなる。
ディズニーランドでも、ミッキーとミニーだけでは出来ることに限界があります。
多くのキャストがいるから大きな魅力を発揮しています。
私は久しぶりにこの日の出来事にて再確認することができ、胸が熱くなりました。
自分でも担当者としか話さない美容院より、
担当者以外2人くらい気兼ねなく話せるところへ行くほうが楽しいし、
総合点が高いお店って良いですよね。
アパレルが厳しいと言われてる中で、今だからこそ、ネットで出来ない体験『チーム接客』もそのひとつではないでしょうか。
もし逆に、自分が接客を担当していないときでも
このときのスーツのスタッフのように振る舞いたいと心から思いました。
どうせ暇なんだから、今こそチーム接客です!!!
接客してりゃ時間もさっさと過ぎます。
明日もがんばるぞと。
私たちの売る『商品』はいずれ誰かの宝物になるかもしれない 私たちアパレル販売員は、 自分たちの売る商品を大切にできないことがあります。 売れないくせに大量に作られたものが在庫になり、 ストック整理するときに棚[…]