はじめに
アパレルで働いていると、ふと違和感を覚える瞬間があります。
この記事を読み始めたあなたは、
もしかすると今、アパレルの職場で
「なんでこんなに精神年齢が低いんだろう…?」
と感じているかもしれません。
私も長年アパレルで働き、同じ壁にぶつかりました。
売場の空気、店長の幼さ、終わらない人間関係のストレス──。

こんなにいつも上手くいかないなんて、私に何か問題があるんだろうか…
そう思うくらい、周囲は苦手な人が多い。
そして、どんなに職場を変えても、必ず『びっくりするくらい幼い人』が存在します。
でもたくさんのアパレルで働きながら気づいたのは、
これは“個人の性格”ではなく“業界の構造”が作り出している現象だったということ。
この記事では、アパレル経験者としての視点から
“幼さが生まれる仕組み”を深く掘り下げてみました。
読めば、
「あ、だから私しんどかったんだ」
と腑に落ちるはず。
【理由①】教育体制や“昭和のノリ”が意外と古いまま
アパレル業界は見た目の華やかさや流行の最先端にいるように見えて、
教育体制だけは驚くほど昭和のまま というケースが多いです。
特に、幹部クラスや店長世代には
「自分が受けた昭和式の根性教育」をそのまま部下に継承する人が少なくありません。
昭和式の教育は、
- 部下の我慢が前提
- 上司の機嫌が基準
- 気合い・根性で乗り切る
- 役職者は“偉い人”として扱う
- 間違っていても上司のほうが正しい
という上司側の幼さを補うための文化で成立していました。
本来なら現在の価値観に合わせて
「指導方法を見直す」「コミュニケーションを改善する」
というアップデートが必要です。
しかしアパレルには、
上司の言動を客観的に“教育し直す仕組み”がほとんど存在しない。
そのため、
- 説教・根性論
- 抽象的な怒り方
- 感情的な指導
- 指摘ではなく攻撃
- 精神論で部下を追い込む
こうした 昭和の部下依存型マネジメント が今も残り続けています。
しかも、上司自身が
「自分のやり方が時代遅れ」
と気づかないまま育ってきているため、
“育成する側が幼い” → “育てられた側も幼い”
という負のスパイラルが続きやすい。
アパレルの幼さは、構造だけでなく
教育体制の古さがそのまま未熟さを固定化してしまう
という側面も大きいのです。
【理由②】外見・ノリが評価に影響しすぎる
アパレル業界は、他業界に比べて
“外見や雰囲気”の影響が極端に大きい世界 です。
また、ノリが良い=仕事ができると勘違いされがちです。
ですから、声が大きいもの勝ちになりやすく、
勤続年数が長い人や勝気な性格の人ほどそのように見せやすいと言えます。
こうした風潮は、精神的な成熟よりも
「雰囲気」や「キャラ」を重視する傾向を作り出します。
つまり、
中身が伴っていなくても評価されてしまう。
結果として、
“歳は重ねても精神は子供のまま”
という人が残りやすいのです。
【理由③】売場という“閉鎖空間”が精神を幼くする
アパレルの職場は、意外なほど閉じた空間です。
・毎日同じスタッフ
・逃げ場のない配置
・客対応で精神が削られる
・不機嫌な上司が空気を支配
・シフト次第で苦手な人と長時間一緒
これは心理学的にも“感情が幼くなりやすい環境”。
自分のデスクで距離を置けるオフィスと違い、
アパレルでは物理的にも精神的にも密着度が高い。
そのため、
短絡的な行動や、感情優位なコミュニケーションが生まれやすい のです。
【理由④】評価が曖昧で、未熟でも上に立ててしまう
アパレルの管理職は、他業界に比べて
「マネジメント能力」より「場を回せるか」で判断されがち。
しかし実際には、
・部下の育成ができない
・好き嫌いで態度が変わる
・責任を取りたがらない
・感情で判断しがち
・論理的に物事を整理できない
このような“精神的に未熟な店長”が量産されやすい。
しかもこういう人は、
上には媚び、下には強く出る
ため、会社から見ると扱いやすい存在。
結果として、問題行動が放置され、
幼い文化がそのまま組織に定着します。
【理由⑤】離職率が高く、成熟した文化が育たない
アパレル業界はとにかく離職率が高い。
新人はすぐ辞める。
ベテランも疲れて辞める。
また新人が入る。
これが繰り返されるため、
「精神的に大人な価値観」や
「落ち着いたコミュニケーション文化」
が育つ前に人が入れ替わる。
毎年、文化がリセットされてしまうようなもの。
その結果、
・短期的なノリ
・場当たり的な対応
・感情的なマネジメント
が残り続けてしまいます。
【理由⑥】非正規が多く、会社が“人間性”を重視しない
アパレル現場の多くは、パート・アルバイトの比率が高い。
つまり、会社としては
「長期育成より即戦力重視」。
スタッフのメンタル状態や人間性を
丁寧にケアする仕組みが整っていないケースが多い。
そのため、
・未熟なスタッフ
・幼い上司
・感情的な人
が続々と残り、
精神年齢の低い雰囲気が固定化される。
【理由⑦】“自己表現の場”だから、プライドが肥大化しやすい
アパレルは、服や外見を通して
“自分自身を表現する” 仕事。
だからこそ、
・外見への自信
・美意識
・センスのこだわり
こうしたものが、
時に“過剰なプライド”として肥大化します。
プライドが壊れやすい人は、攻撃的になりやすく、
感情で動いてしまう。
こうした人が店長や先輩になると、
職場は一気に幼くなります。
結論:アパレルの幼さは「構造」が作っている
アパレルが精神年齢が低く見える原因は、
決して個人の問題だけではありません。
業界そのものに、
・若さ偏重
・閉鎖空間
・曖昧な評価
・離職率の高さ
・即戦力主義
・プライド過多
という“幼さを育ててしまう構造”が存在しているからです。
だから、アパレルで疲弊した人が
「自分が弱いせい」と思う必要はありません。
むしろ大人で真っ当な感性の人ほど、
この構造に違和感を覚えるのは当然のこと。
おわりに
アパレルで悩む人の多くは、“自分のせいではない”ところで苦しんでいます。
構造を理解すれば、
「アパレルならではの環境がそうしている」
ということがはっきり見えてきます。
そして、それはアパレルに居る以上、ついて回りやすい問題であるため、
精神年齢が幼い人の心理をよく念頭に置き、振り回されない心の準備が必要です。


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