ショップ店員、誰の個人売上?問題
アパレル販売員であれば、個人売上がある職場は多いでしょう。
そして、その個人売上が個人の評価の指標のひとつとなり、
昇給やボーナスに反映される部分もあるので、個人売上は大事です。
しかし、接客をしていく上で、
「今のはどっち(誰)の売上??」というナーバスな場面は多々あります。
自分が接客した、と思ってたお客様を
他のスタッフの売上にされていたら、気分は良くないですよね。
しかしこの個人売上の定義に明確な基準が無いため、
職場ごとに違ったりすることもあり大変厄介です。
たまに聞くのが、「●●さんの顧客様だから、●●んが休みの日に来た顧客様に△△さんが接客しても●●さんの売り上げにするべき」というビックリなルールもあります。
このルールは、やりかたが古い時代遅れの店舗にありがちです。
「●●さんの顧客様」といっても、商品を勧めて買ってもらったのは△△さんです。
こんなルールがまかり通っていたら、△△さんは接客をする気になりません。
では、どんな基準で?というところを考えてみました。
こんなとき、どっちの売上にする??
①はじめに声をかけた人 VS あとで声をかけた人
通常ですと、始めに声を掛けたスタッフがそのまま接客して販売するのが一般的ですよね。
例えば、あなたが先に声を掛けたとします。
そのままあなたの接客でお客様が購入された場合は何も問題無くあなたの売上です。
しかし、「ご試着もできますので」などファーストアプローチのあとにしばらく放置(というか見守り?)していて、
そのままお客様があなたからけっこう離れた場所に移られたあと、
別のスタッフAさんの近くで気になる商品を見つけて商品を熱心に見ていたら・・・
この場合はAさんが商品説明に入り、そのまま接客➡買い上げ➡Aさんの売上で良いと思います。
勿論、Aさんの近くに行ったときにもわざわざお客様を追いかけていく勇気があればそれでも良いです、
狭い店舗であればそうしてもお互い(自分もAさんもお客様も)気にならないでしょう。
ただ、わりと大きい店舗で、
お客様との距離が離れたあと、
その近くにAさんが立っていたのであれば自然であるのはAさんが接客につくこと。
「不自然」が生じることで、販売が一気に「個人売上のためにやってる感」が出てしまい、お客様にも不信感を与えます。
お客様が「個人売上のために声かけてきてる」と思ってしまうと引いてしまいます。
「はじめに声かけた人」にこだわり過ぎても結果的にさっさと去られて誰の売上にならない・・・というのはお店のためにもなりませんね。
私は、声を掛けたあとお客様としっかり会話に入ったら、
そのまま接客しながら一緒に他のエリアに行ったりしますが、
そうでない場合(声をかけただけ、本格的に会話にまではなってないなど)は、
お客様が自分のテリトリーを離れた時点で、他のスタッフに渡す、という気持ちでやってます。
②他のスタッフの顧客様の接客をした人 VS 途中で代わった担当者
例えば先ほどの顧客様がらみのとき。
あなたの顧客様が、あなたの休憩中に来て、あなたが戻るまでAさんとお話をしていました。
かなり長くおしゃべりをされてた様子。
あなたが戻って1から商品を勧めたのなら、あなたの売り上げにして良いでしょう。
ただし、
「あなたが居ない間にAさんに紹介してもらったの、これ、どうかな?」と顧客様に聞かれた場合。
Aさんがどの程度勧めたか?が重要です。
もう試着までして8割接客が済んで「最後のひと押し」をあなたがするだけであれば、売上はAさんにつけてあげる。
しかし試着もしてなくて、Aさんも「これとかどうですか?」と一言振ったくらい・・・であれば、しっかり接客してあなたの売上にしても良いと思います。
③顧客様に事前に来店を促した担当者 VS 接客した人
きわどいケースですが、
あなたが顧客様に良い商品が入ったから連絡して、来店を促してたとします。
また、手紙を書くなどして、顧客様の来店きっかけは間違いなくあなたに(電話や手紙で)誘われたからだったとします。
しかし運悪くあなたが不在で、そのあいだ別のスタッフが接客していたとします。
この場合、
悔しいけど、例えお客様が「あなたがきっかけで」と言ったとしても、
あなたがそのとき居なかったのなら、実際接客をしたAさんの売上にするのが良いでしょう。
むしろ、そうなるのが嫌なのであれば、
事前に電話なり手紙なりで自分の居る日にちや時間をお伝えしておくこと、
またその旨をAさんにも共有しておいて、
「この顧客様が来店されたら自分が不在でも呼んでほしい」と言っておくことが安心です。
私はそこまでしたくないので、運とタイミングに任せていましたが、
それで自分が立ち会えなくても自分の判断のせいですし、
逆にお客様が「○○さん(あなた)はいつ戻りますか?それまで時間つぶしてもう1度来ます」と言ってくれればしめたもの!というか、
そういう接客を常にしたいですよね。
『お客様に指名してもらえる』のが一番ラク
この「○○さん居ますか?」とお客様に言わせるのは、
言うまでもまく『良い接客』の積み重ねです。
よく、顧客様を作るためには「お客様の顔を覚えろ」と言われますが、
私は顔を覚えるのが大の苦手です!!
覚えれる人は尊敬しますし、
覚えてるからこそ得をしてることもあると思います。
ただ、私は20年やっても本当に人の顔を覚えない、これが一番の難関でした。
意気揚々と声掛けて人間違いもよくしました。
すごく絶望していて、自身の記憶力の悪さに打つ手が無かったのですが、最近ふと思ったのです。
毎日「次回もお姉さんにお願いしたい!」「お姉さんのお名前教えてください!」など言われることが増えたのです。
そこで、
「私、ごめんなさいね、悪気は無いんですけど、本当に記憶力が悪くて!!
人の顔が認識できないんです、3回くらい会ってやっとわかるかどうかなんです。
だから次来られたら声掛けてください!!」と、言ってしまう。
プロ=顔を覚えるもの と言われそうですが、
私は「顔を覚えるプロ」じゃなくて「接客をするプロ」なので、顔当てクイズに弱くても接客で高得点出せば良いかなと思ってます。
実際にそれで「○○(私)さん、ご指名!」と言われ、会ってみてもしばらく思い出せず、
「前回何買ってくれましたっけ?」からインタビューし、
やっとお話ししたことなど思い浮かび、5分程度で思い出す・・・といった具合です。
お客様にはちょっと申し訳ないものの、
そのときまた良い接客をすればお客様も満足してくれます。
何と言っても、
お客様から指名されれば、誰に流れるでもなく個人売上は自分のものです。
正直、こういったお客様が何人もいたり販売力自体が高ければ、
数ある微妙なシチュエーションで他の販売員に微々たる売上を持って行かれてもほとんど気にならなくもなります。
個人売上 こんな職場は要注意!
しかしはじめにもお伝えしたように、個人売上は大事な指標のひとつです。
いずれも「実際接客した人」のものです。
この基準がズレでいると正当な評価をしてもらえず、
接客する気が失せますよね。
そして接客の実績が高くない=販売員としての価値も高くないこととなり、
アパレル業界内で転職したくなった場合にも明暗が分かれます。
胸を張れる実績や販売力の高さは転職にも非常に有利で、
どの会社の面接官もその数値を聞いただけであなたがどのくらいのレベルの販売員か、すぐ解るでしょう。
今いる会社はもちろんですが、
アパレル販売員でいる限り、個人売上はずっとついて回る数字です。
もし今の職場で「この個人売上の分け方はおかしい・・・」と思ったら、
勇気を出して一度意見をしてみるのもおすすめです。
上司の逆鱗に触れないように、自分が解ってない感じで(←これ大事)
「こういう場合って・・・ちょっとわからなくてお聞きするんですけど、実際接客した人っていうよりかは、こっちのほうの売上になるんですね」と、
確認しているような感じで言ってみます。
「あ、ごめんごめん、じゃああなたの売上にしとくね!」となれば良いほうですが、
もしそれでもその会社独自のルールや持論を持ち出して反発してくる場合は、
心の中で転職を考えたほうが良いかもしれません。
「それ、うちの会社だわ・・・・」と思ったあなた。
今すぐ辞めることは現実的じゃないかもしれませんが、
もし今より良い環境で求人があったら、そっちに転職!というのも良いと思います。
転職は「色んなことが我慢の限界になってからするもの」ではなく、
思い立った今からでも準備だけは出来るのです。
今のうちに良い会社があったら声をかけてもらえるよう、水面下で転職活動しましょう!
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