恐怖!楽しさに流されて10年以上経ったアパレル販売員の行く末
「アパレルは若いうちしかできない」というイメージはありますよね。
若い頃は誰でも、「服が好き!」という気持ちで深く考えずに参入してくる業界です。
何やら華やかなイメージもありますしね。
激務だとか薄給とか言われても、
若いときは実家だから平気だったり、独りで暮らすにしてもギリギリの暮らしでも楽しめるもんですよね。
とかってね。
若さ、最高!
ただ、怖い話をすると、そのまんま何にも考えず働いて、
10数年経ってしまって何のPRポイントも無いまま年齢重ねると酷いことになります。
『オシャレ』とか『センスが良い』は、所詮、業界の仲間内でしか評価されません。
実際、仕事として考えたら「だから何なの?」ですし。
別に会社に利益はもたらしませんしね。
同じ会社に10年くらいいて、社内政治を渡ることだけが上手くなっても、
経理の人や事務の人みたいに社会で役立つなどつくわけでもありません。
「この仕事をすることで今自分はどんなスキルを身につけているのだろう」ということを自分で意識してないと、
日々の楽しさだけに流されて何も出来ないオシャレおじさんとオシャレおばさんの出来上がりです。
ほんの一部、独立できる人もいますが、失敗したら大きな借金を抱えます。
かといって、特別な実績や資格も無いまま年を取ってしまって、やれ転職といっても上手くいきません。
本人がそれを一番解っているので、今の職場がどんなに不満でも不安でも、しがみつくしかありません。
結婚してアパレル引退したり、異業種に行けた人はまだ良いほうです。
縁が無く、今の給料で独りで生きていくことになったとき、どうします?
しかし、私は今、実際独りで中年でアパレルですが、人生の満足度はわりと高めです。
それには若いうちにショップ店員として働き、やってきて良かったことが関係しています。
まさに「あのときがあるから今がある」的な。
そこをちょっとお伝えしたいと思います。
いつかする転職のために、とにかく肩書を手に入れよう
私は今41歳で、23年目になります。
私の周りにも居ますが、
年齢をただ重ねてしまって何もPRできるポイントが無いまま転職できなくなって、
日々不安と不満を抱えて八方ふさがりの人と比べてみて、圧倒的に良かったのは
「肩書と実績を作ってこれたこと」です。
肩書に関しては、
アパレルは規模が小さいとこはチャンスです。
すぐに管理職の順番が巡ってきたり、たとえ大手でも、部門リーダーくらいはなりやすいじゃないですか。
周りが見切りつけたり脱落していけば1、2年でメンバーはけっこうチェンジしますよね。
何でも良いから若いうちこそ肩書は手に入れたほうが良いです。
後々の転職に使えるから。
どんな3,4人体制のショボい店でもかまいません。
むしろそのほうが、若いのに色々やらせてもらえますからね。
シフトやスケジュールを作ったり、商品オーダーなど。裁量権を与えられる。
人を育てる、チームをまとめるという仕事も然り。
規模は小さかろうとあなたの属してるところがちゃんと「会社」である限り、面接ではアピールできます。
今もうちょっと頑張れば肩書に手が届くっていう人はどうか頑張ってください。
それはすべて「次の転職(面接)のため」だからです。
私は転職回数は多めですが、短いところでは数ヶ月(ブラックだったり)などで辞めましたが、
長いところは5~7年くらいは居て、そのたびに管理職を経験しています。
転職の際も管理職候補として採用されやすくなったりと選択肢も増え、肩書が無かった人よりすごく有利です。
肩書があると言えることとしては、
店舗運営の大半を任されることで「リトル経営者」のような経験もしてるので、
・利益を考えた働き方や効率良い動き方をいつも考えてて現実化できる
・人を育てるため、『人への伝え方』も、失敗しつつも色々学んで実践してきた
・チームを動かして目標を成し遂げるため、ビジョンを明確にし共有する力をつけてきた
細かいとこでは色々ありますが、目立つのはこんなとこかなと思います。
会社は「経営者」の目線です。
利益を出したい団体。
だから、雇われとはいえ一つの店舗を運営してきたという事実だけでも普通の人より一歩リードな印象です。
じゃあ肩書以外ではアピールポイントが無いか?というとそうではありません。
肩書の順番が巡ってこないあいだは毎日淡々と経験を積み、実績を作るのです。
ショップ店員としてでも多様なスキルを身に着け実績を積むのは可能
例えば
◆商品単価の安い忙しい店
→スピード感を持ってポイントを絞った商品提案と、無駄を省き回転率を重視することによる売上貢献
◆商品単価の高い暇な店
→商品の価値をお伝えするとともに価格に見合ったロイヤリティのある接客、顧客様と信頼関係の構築による売上貢献
同じアパレルでも、このように違いは出ます。
さらにそれが、大規模店舗なのか小規模店舗なのかでも違います。
レディースなのか、メンズなのかでも違いますし、
もっと言えば、売る物が、服なのか、家なのか、車なのか、宝石なのか、保険なのか・・・それぞれ商品は違いますが、
日々販売に真摯に向き合いつけた力は、
服以外のもので利益を生むにも充分通じると思います。
社会人としてアピール出来る数字を作ろう
個人売上などあるところでは、個人売上である程度自分の実力が測れます。
「自分は周りの人よりこれだけ客単価セット率が良く販売額も(店舗内で、エリア内で、ブランド内で、など何かのくくりで)上位です」
「自分がこの部門のリーダーになってからは売上がいくら上がりました」
など。
とにかく肩書が無くても「自分はビジネスに役立つ人間であることを数字で言える」ようにしておくのはとても良いことです。
仕事なので、数字って共通で社外の人にも伝わるし、良いんです。
逆に数字を持たずして社内政治にばかり強くなり、
ゴマすりや世渡り(社内渡り?)ばかりで上司に気に入られることで何年も居座ってるような人もいますが、
私から見たらほんっとに無能。
就業年数が長いということだけで結局内容が薄いとただの世間知らずです。
会社のルールなんてどこも違うし、1社しか見てなくてそれを盲信するということは、
悪く言えば臨機応変が出来ないということです。
説得力も無くて、計画性も行動力も無くて、柔軟性も無い。
は???
そんな大人になったらもはや誰が雇ってくれますか?
もはやね。
そうならないためにも、明日からの働き方、大事ですよ!
時々頑張って、ちょっと飛び抜けた実績を作っておく
アパレル販売員は、販売そっちのけでオシャレだけしに来てる人もいます。
そんな人たちを「けしからん」と思うんではなくて、
自分の引き立て役にすればいいと思うんですよね。
それこそ私も、管理職だったときはそういう人たちを「けしからん」と思ってました。
それは結局、
管理職の評価=周りの従業員の実績も自分の評価であるためピリピリしてたのだ、と今になり思います。
最近、管理職ではない選びましたが、
管理職じゃなくなったら仕事しない人間や仕事できない人間のこと、全然嫌いじゃない(笑)
ローランドが「自分以外のホスト全員好き」って言ってたのと一緒。
同じ販売員であるのなら、そういうけしからん人たちのおかげで自分の販売力が際立つんですよね(笑)
そしてちょっと売って目立てばすぐ
「新店オープンへの手伝い」とか、輝かしい仕事が回ってきます。
私は地方の人間ですが、今まで何度も東京の仕事に招かれたり短期で転勤したりしました。
一番大きな体験は、インポートブランドで300人の販売員の中から選ばれてフランス出張を体験できたことです。
このように、時々特別な抜擢をされておけば、何の資格も無くても
それはすべて「転職のときアピールできる実績」となるのです。
すべての会社は経験を積む踏み台。
言い方悪いですが、
会社なんて経験を積む踏み台だと思ってます。
若くしてアパレルに入ったみなさんも、
まさか今のお給料で今の会社で定年まで勤めあげるなんて思ってないですよね?
ただ、はじめでもお伝えしたとおり、
「楽しさ」に身を任せてるだけでは、
アパレルは他業種と比べても社会的なものが何っっにも残らない仕事です。
それに、アパレル業界でも他業界でも、
面接官においては「販売員なんてだれでも出来る仕事だよね」ていう考えの人も多いと思います。
だからこそ、
今自分は何のスキルを身につけてるか、
また過去どんなスキルを身につけてきたか、
しっかり自分で語れないと不利です。
でもそれが出来たら、お給料も転職で増やしていけます。
普通の販売員の2倍3倍貰おうとすると、
本社勤務や管理職など心身ともにハードですが、そうでなければ
そこそこ良いお給料貰いながら負担が少ない状態で働ける(→今私ココ!!)。
それについてはまたいつか別記事で説明します!
すべてのことにがむしゃらだった20代や若いときを思うと、
今のほうがはるかに満足感の高い生活をしていますが、
それでも頑張って色んな経験を積んだ若い頃は無駄ではなかったと思います。
今どれも「なんとなく」になってる若い人がいたら、
とにかく今の過ごし方と頑張りが将来の自分の満足度を決めるよ、、、
と、40歳を過ぎて、言ってみたくなりました。