『お客様はお金が無い』売れない販売員の致命的な思い込み
ネット上では、
やれコロナで服なんか買う余裕も無いし要らないとか、安いものでいいとか、そういった声が溢れています。
そういったお客様たちの『要らないコール』と『買えないコール』を真に受けている純真な人たちがいます・・・・売れない販売員達です。
売れない販売員に多いのは、
自分たちがお金無いからといって、お客様も同じだと思ってるんです。
買って欲しいから安いものを勧める、
買って欲しいからひとつだけお勧めする、
迷って買うのを止められたら怖いから早く接客を打ち切って『買う』ことが決まったらすぐにレジへ!!
こんな販売員が山程います。
もう、余計なお世話ですよね。
ほんとのところがどうなのか知らないようなので教えてあげます。
お客様は私たちよりお金持ち、これ、紛れも無い事実。
そりゃ、販売員の給料は底辺です。
その上で独り暮らししてたり、服をたくさん買ったり、
飲み会しょっちゅうしていたりするのだから、私やあなたにお金が無いのはわかる。
でも、学生さんは別として、
ほとんどの一般社会人のお客様は『必要なときにしか服を買わない』し、
家族と暮らしてたりもするだろうし、私たちと違って基本的に貯蓄もある、余裕があります。
日本人の平均貯蓄額、独り暮らしでも800万、2人暮らしでも1000万あるんです。
目の前にある1万円の服がどうしても買えないこともないし、
必要なら10万円くらい出せちゃうんですよね。
お客様のお買い物に対して
なんて、ある意味失礼です。
確かに、服にお金をかけるかどうか、という価値観はショップ店員とは違うかもしれませんが、
ショップ店員より良い服を着てない=お金が無い じゃないんですよ!
これ、何度言っても解ってもらえないんですよね。
私たちはお客様の財布の中身は勝手に想像せず、
安くても高くてもそのときのベストなお買い物を提案するのが仕事です。
買う買わないはお客様が決めること。
だから私は言います。
そしてほとんどの場合、買えちゃうんです。お客様は。
勝手な価格制限のフィルターをはずし、プロとしての提案をする
さすがに高額なだけという高額商品をいくつもいくつも勧めるのは違いますが、
と思ってもらう3~10万くらいは『コーディネートで』一応提案します。
一つの服をかっこよく素敵に着ようと思えば合わせるものも必要、
それを一式揃えると、
多少差はあれどこのくらいの価格にはなりますよね。
というのも、
逆にお客様は『買うお金はあるけど、服をオシャレに着るコーディネート力が無い』場合が多いのです。
だから安いものを1個だけ買ってもらっても、結果どう見えますか?
手持ちのユ●クロと合わせてパッと着て、その人は良くなりますか?
周囲の家族や知人から「いいね!」と言ってもらえますか?
本当は良いスタイリングでお洋服を揃えることも出来るし、
その楽しみを味わうことが出来る人なのに、
販売員の勝手な「貧乏巻き込み思考」によって、
オシャレをするチャンスを奪われているのです。
せっかく買い物に来てくれて、
それって気の毒ですよね。
断固として「要らない!買えない!」と口に出す人ならお客様の言うとおりにすればいいですが、
そうじゃない限りは、お客様の可能性を広げるお手伝いをすることにしています。
お客様を劇的チェンジ!プロの力を惜しまず発揮しよう
先日、以前接客したアラフォーのお客様からご指名がありました。
見た目はどこにでもいる、
飾り気の無い普通の事務員アラフォー女性でしたが、
前回はじめてスタイリングで揃えてみて、
それまではプチプラで良いと思っていたけど、
職場の人たちに「どうした?!」と言われるようになり、
オシャレをしたいという気持ちになったそうです。
そしてまた私に任せてもらえるとのことで、
定番キレイ系からちょっとモダンな遊び心のある服まで、
日々の気分によって変えれるように何パターンかスタイリングして、
今まで着なかったような柄物や色物も提案しました。
高くても安くても関係ないので、
彼女の魅力を引き出すものを駆けずり回って探し、
あれこれ着てもらいました。
お客様は終始楽しんでくださり、
とか二人できゃあきゃあと話しながら全身コーデ数パターンとアクセサリーまで揃えてくれました。
自分のために贅沢できるのは独身の特権ですからね!
その表情はキラキラとしていて独特な綺麗さがあって、
ああこの人にこれから良いことがりますねって思ってしまったのでした。
( 勿論、独身でなくても「いいね!」と愛する家族から言われたらそれはそれでとても嬉しいことだと思います。)
お金を使わせること=悪い事 じゃなくて、
気分良くお金を使ってもらえたら、お店とお客様はwin-winです。
こんな時代だからこそ、「これからはオシャレしたい」と言ってもらおう
もう洋服要らないという人はそのままでいいけど、
今回のように素敵な服とスタイリングに自分を引き上げられるお客様もいるかもしれません。
コロナで外出が減るということは、今までのように数多くの服を持たなくて良い、
ということは裏を返せば、服が「量から質」になることで、
「いつもは高いと思ってた店でワンランク上の服を買える」ということ。
そしてパターンは少なくとも、
数少ない外出のためにきちんとスタイリングで揃えることが出来る。
じゃあここぞっていう外出のときは今まで以上の魅力を発揮できるわけですし、
良い服を纏うとモチベーションが上がる、
人の目も変わるということは私たちが日々身をもって実感していることではないでしょうか。
前向きな提案ができるかどうかは私たち販売員次第です。