想像した華やかな世界と地味な現実
悲しいことが起こりました。
この4月に入社した新卒の社員の子から店長へ、
「思ったより接客もできないし楽しくないから、販売員を辞めたい。」という申し出がありました。
そして去年新卒で入った子も、
今1年経ったところですが、
これもまた「毎日毎日頭使うこともなく同じことの繰り返しでつまらない。」と口にするのです。
オシャレや洋服が好きで、華やかなイメージに期待を膨らませて入った若い人たちから
「思ったよりもアパレルがつまらない。」という言葉。
言葉にしてくれた人は良いほうで、
そう感じてるけど口に出してない人も多いでしょう。
彼らの共通点を考えてみました。
・接客が上手くいかない(お客様とコミュニケーションが取れない、売上も取れない)
・地味で退屈な仕事(掃除、ストックの整頓など)の繰り返し
・先輩も自分の業務でいっぱいいっぱいで、世間話はしても、仕事についてどう思っているかなどのコミュニケーションをしっかり取ることが少ない
主に感じるのはこの3つです。
一緒に働いてる先輩を見ても、みんなオシャレはしているでしょうけど、
そういえば楽しそうに働いてる人ってけっこう少ないかもしれません。
一応オシャレはして出勤するものの、
お客様には神経を使いながら当たり障りの無い接客を淡々とし、
お店にお客様がいないときはやることが無くて暇にしていて、
売り場替えや商品の値段の付け替えなど黙々とやる。
今はとくに、本社があの手この手で売り上げを取るためにいろんなイベントを乱発します。
そのたびに現場はふりまわされ、その準備として大量の商品を出したり片づけたり、
それにともなう作業をこなしたり、
短刀直入に言うと、味気無いのです。
自分も周りも、現実はそんな感じでしょう。
あなたがアパレル販売員を選んだきっかけは?
原点に返るとそこなんです。
最初は「好きな服を着てお店に立つ」という雰囲気に憧れていても、
そんなものは数ヶ月毎日好きな服を着れたら満足します。
好きな服を着るということが憧れや願望なのは一瞬で、早々に達成して飽きがきます。
じゃあどんな生活を送りたかったですか??
例えば、
自分がオシャレをしてきて、お客様に「オシャレですね!」って言われたかったけど、
思ったより褒められない・・・
オシャレして立ってるだけでチヤホヤされると思ってるのはアパレル界隈だけで、
一般のお客さんには通じません。
「オシャレ?だから何?」です。
お客様に自分のセンスで見立てていっぱい買い物してほしいのに、
声を掛けたら無視されてちゃんと接客にたどり着けない・・・
まだ販売に必要な人間力とスタイリング力が身についていないせいです。
つまり
お客様から認められないことには、自己承認欲求が満たされず、
それが「つまらない」ということになるのでしょうけど、
まだお客様に認めてもらえる入り口にすら立ててないから当然です。
それは若い人だけでなく、
先輩販売員も同じように感じていたり、
もうそれが普通になってるから、
今更「面白いか、面白くないか」考えるわけでもなく淡々とこなしてる、ということもあると思います。
私がアパレル歴20年でも、どんどん仕事が楽しくなっていく理由。
私が20年もやっていて飽きないのは、
上記に挙げている
「お客様から褒められる」
「自分のスタイリングでたくさん買ってもらう(&店舗内でぶっちぎりで売上を取る)」
などが多々あると、自己肯定感が上がります。
20年もやってきたせいか、
5人声を掛ければ3人か4人は買ってくれるようになったので、
お客様に無視されたり適当にあしらわれるということが圧倒的に減りました。
また、私と話すとどんどんお客様は予定外の買い物をするのですが、
ほとんどの方が
「お姉さんに選んでもらえて本当に良かった!」
「この時間が本当に楽しかった!」
「いつもお店にはいますか?次もお姉さんに見てほしいです。」
とか。
こんな言葉を毎日聞けるようになるのです。
それはもう販売員冥利に尽きますね。
お客様は私の名前を必ず確認するようになるので、
次回も自動的にご指名頂けるようになります。
この「楽しい」の繰り返しで、
技術を学ぶことも売上を取りに行くことも苦じゃなくなって、
結果的にどんどん周りと差がついていき、
「これは自分の天職だな」と思うまでになりました。
ぶっちぎりで売ってるおかげで、他にもこんな良いことがありました。
・こちらの好きな条件(期間とか)で転勤できた
・ヨーロッパに研修(という名の旅行)に行けた
・県外での単発の販売の仕事に何度も行かせてもらえた
・転職も思い通りになったり優遇されて普通の人より良いお給料で入社したり出来た。
出張や転勤はすべて会社持ちで、
若いときにいろんな県で働けて、
その土地の美味しいもの食べたりできて、
とても楽しかったです。
どれも目立つ仕事なので、
自分の経歴として転職の際もアピールとして効果的でした!
ただ、こういった経験ができたのも、
周りから見て「あの人はよく売る」という事実や、証拠となる数字があってこそです。
お客様とコミュニケーションが取れて、
その上で売上を取るという技術さえ身につけばこの仕事はどんどん楽しくなってチャンスも舞い込みやすくなります!
アパレルの仕事が面白くなるかどうかは結局自分次第
今私が挙げたような「アパレルやってて良かったこと」は、
身近な先輩でもあまり経験してる人はいないかもしれません。
正直、惰性で続けてる人も多い業界なので、ちょっと売れば目立てるんです。
「毎日の地味で退屈な作業」も、大体は手が空いてる人がやります。
つまりずっと接客してたらその作業を逃れることができます!
上司としても売れる人間を店頭に立たせておきたいですからね。
ただ、私はずっと接客しっぱなしだと気分転換に他のこともしたくなるので、
ある程度売ったらさっさとストック整理など名乗り出て店頭から消えます。
売るだけでなく裏方仕事が残ってしまっては残業になりますからね、
それだけは絶対にイヤ!仕事は好き、残業は嫌い!
『一番売って一番帰りたがる人間』なので、
残業はしたくないから、隙間時間を使って集中して終わらせます。
自分の中で制限時間を決めて、時間内にやれるか・・・
と、地味な作業も勝手にゲーム感覚で楽しむことは出来ます。
今回、「アパレルが楽しくない」と感じて早々に辞めた若者、
または今アパレルが楽しくないと思ってる人は、
まだ自分の技術がその入り口にも入れてないから『楽しい』までの道のりが長いんですよね。
私みたいに20年もやる必要はありませんが、
毎日多少頑張って2,3年もやれば、
楽しいって思える経験にはよく出会えるのでは、と思います。
上手くいけば、
好きな格好して、好きなものに囲まれて、
それを通して色んな人とコミュニケーションできる社交場のような楽しい仕事です。
判断を早まらず、あと数ヶ月。
自分で仕事を楽しくできるか?頑張ってみて欲しいものです(^^♪
どう考えても楽しくない、アパレルから他業種に転職したい!という場合。
とはいえ、接客業は向き不向きがあります。
とくに「楽しめない人」にとってはアパレル販売員ほど苦しいものは無いでしょう。
そんな人をたくさん見てきた私としては、努力がすべてとは思ってなくて、
辞めるのもいいよ!って声を大にして叫びたい(笑)
実際、アパレルで少しでも「喋る」経験をした人はコミュニケーション能力が多少なりとも身につきます。
接客業じゃなくても「他人と会話をする力」はどこでも必要で、
転職してからの仕事や人間関係でも活かせる可能性も高いですよね!
少なくとも他業種はアパレルよりはお給料も良いので、
転職して損することはほとんどありません。
今アパレルから転職したい人にひとつだけ、重要な警告があります!
ほとんどの販売員が「エージェント」を利用しないで不利な転職をしています。
しかし、自分で転職活動するより効率良く、良い条件で転職できます!
今や、自分で求人を見て面接を受けるというのは絶対損なのでやめたほうが良いですよ!
誰にもバレずに、今の仕事をしながら、良い仕事があれば紹介してくれるエージェントを頼りましょう!
エージェントとは。。。
①無料で、転職の悩みを相談出来る
②無料で、あなたに合う求人を紹介してくれる
③無料で、履歴書と職務経歴書の添削や作成を手伝ってくれる
④無料で、面接の準備をしてくれる
⑤無料で、給料や条件の交渉をしてくれる
『エージェント』と一言で言っても、自分と合う人、サポートが上手い人がいるか?とか、
求人の充実度など各社バラバラなので、
まずは、数社エージェントとの登録して面談だけ受けてみるのがお勧めです。
私も4社同時に登録して、日にちをずらして面接だけ受けて、
その中から良い担当者、良い求人であると思ったらその担当者に協力してもらい、
担当者経由で企業に応募していました。
自分で勝手に応募するよりはるかに受かりやすくなり、
お給料も見直してもらえるのでぜひエージェントを利用してみてほしいです!
すぐに転職する予定でなくても、
7割くらい辞めたい気持ちがある人は、
無料なので登録しといて、何社かまずエージェントに面談してもらいましょう!